しつけ&健康

結膜炎じゃなかった!誤診で愛犬に間違った治療を続けた3ヶ月の記録

2020年12月、ゆめちゃんの右目の目頭に、今までは全くなかった涙やけが少し出来ているのを発見しました。

まばたきも左目に比べて右目の方が少し多いなと感じ、かかりつけの動物病院で診察を受けると「結膜炎」という診断。

見た感じそんなにひどくないし、すぐに治るだろうと思っていましたが、1週間後症状が悪くなり・・・

まさか3ヶ月も治らないなんて!!

目薬、目の中に入れる軟膏、飲み薬と、薬が増えるばかりでまったく回復しない状態が続き、先が見えずとても不安でした。

ずっとお世話になっていた評判の良い病院でしたが、この診断でいいのか、この薬で合っているのかという気持ちになり病院を変えました。

そして移った病院で紹介された大学病院で検査したところ、その原因が

逆さまつ毛

だったことが判明!!

最初の病院でもまつ毛を抜いてもらっていたので、聞いた時は「ホントに?」と思いました。

でも、

大学病院の先生
大学病院の先生
眼球に向かって生えているまつ毛が1本あります。
透明のまつ毛なので見逃したのでしょう

ということで抜いてもらうと、その日のうちに目のショボショボがなくなり、涙も止まり、嘘のように元のパッチリおめめが復活!!

やっと、やっと、心配と不安の日々から解放されました。

でも、ここまでの3ヶ月間、無駄な時間とお金を使い、しなくていい検査と与えなくていい薬で愛犬に負担をかけてしまいました。

ゆめちゃんには申し訳ない気持ちでいっぱいです。

今回の経験で私が何よりも学んだのは

セカンドオピニオン(サードオピニオン)の重要性

です。

  • どんなに信頼している病院や先生でも、なかなか治らなかったら違う原因があるんじゃないかと疑ってみること。
  • 他の病院で見てもらう選択肢も頭に入れておくこと。

話すことの出来ない家族のために、私が考えて決めるしかないということを実感しました。

 

愛犬がこんな症状で困っていませんか?
  • 涙が止まらない
  • 涙やけがひどい
  • 目がショボショボする
  • 結膜炎と診断され治療しているけれど治らない

こんな症状が続いていたら、もしかしたら「逆さまつ毛」が原因かもしれません。

ここから先は記録として症状と治療の経緯を詳しく書きました。

もし同じような薬を使って治療をしていても治らなくて悩んでいたら、結膜炎ではない可能性がありますので、ぜひ読んでみてください!

医療費の金額を追記しました。ぶっちゃけかなりかかりました😢(2021.6.8)

マキ&ゆめ
マキ&ゆめ
我が家の経験が、今同じような状態で困っている方や、今後何かあった時の参考にしていただけたら幸いです!

長いので、原因判明とまとめだけでも、目次から飛んでみてくださいね~!

 

2020年12月~2021年2月 N動物病院の診断と治療

2020年12月初旬、いつも涙やけがない右目の目頭にちょっと涙やけが出来ているのを発見しました。

でもこの時はすぐに治るだろうと、深刻には考えていませんでした。

その2~3日後、トリミングに行くとトリマーさんに

トリマーさん
トリマーさん
ゆめちゃん右目のまばたきが左目よりちょっと多いみたいですよ

と言われ、よくよく観察してみると確かにまばたきが多い。

念のため、いつもお世話になっている動物病院で見てもらうことにしました。

2020年12月11日 1回目の診察

かかりつけの動物病院は地域では評判のいい病院で、いつも物凄く混んでいます。

獣医さんも数名いて、ゆめちゃんはいつも院長先生に見てもらっていました。

避妊手術も院長先生にしていただき、術後すぐに元気になり、痕もまったく残っていないので信用している病院でした。

ただ、コロナの影響で完全予約制になり、この時は院長先生の予約が一杯だったので、他の先生に見てもらうことにしました。

【C動物病院】1回目の診察 K先生

【検査】スリットランプ(検眼機)検査 / フルオル(角膜染色)

【診断】結膜炎・・・眼球に傷はないけれど、まぶたの裏が赤く炎症を起こしている

【処方】点眼薬:オフロキサシン(目の炎症を引き起こしている細菌を殺す働き。感染が原因となる目の病気を治療する薬)  1日3回

医療費 5,830円

私もおそらく軽い結膜炎だろうと思っていたので、この診断に疑問は持ちませんでした。

でも1週間後、目に見えて右目がショボショボして涙も多くなったので、病院に電話をすると

「目の治療を専門にしている先生がいますので、その先生で予約を入れて来てください」

と言われました。

初めて見てもらう先生でしたが、病院からその先生でと指定されたので、迷うことなく診察してもらうことにしました。

2020年12月20日 2回目の診察

【C動物病院】2回目の診察 N先生

【検査】スリットランプ(検眼機)検査 / フルオル(角膜染色)

【診断】結膜炎・・・眼球に傷はないけれど、まぶたの裏が赤く炎症を起こしているという1回目と同じ診断。

【処方】点眼薬:ムコスタ(ムチンの生産を促進し、涙の状態を安定させることで角結膜上皮の障害を改善する薬) 1日3回
エコリシン軟膏(細菌増殖を阻害し、抗菌作用をあらわすことで結膜炎などを治療したり眼の手術前後の細菌感染を予防する薬) 1日2回

医療費 8,690円

「9日前に同じ検査をしたのに、また同じ検査をするの?」と思いましたが、症状も変わっているので仕方ないのかなと思いました。

N先生から、涙の出る理由として

  • 逆さまつ毛
  • ムチン層が足りていない
  • 鼻涙管のつまり

などの可能性があり、ゆめちゃんも何本か逆さまつ毛があるとのことでしたが、今まで大丈夫だったのに右目だけそれが原因とは考えにくいとのことで、診断は結膜炎でした

薬を変えるので、2週間後にまた見せてくださいと言われました。

この時から軟膏を目の中に入れなければならず、最初ゆめちゃんは凄く怖がっていました。

おやつで釣りながら段々慣れましたが、「あんなに頑張ったのに全部無駄だったんだ」と思うと悲しくなります。

処方された通り毎日薬を点眼しましたが、あまり変化はありませんでした。

この写真は特に調子が悪かった時の写真です↓

涙が止まらないマルプー
右側の顔全体が涙で濡れ、目の周りが赤くかぶれてしまっています。

改善しないどころか悪くなっていることに不安を感じ始めましたが、ちょうど年末年始のお休みに入ってしまったので、休み明けすぐに病院に連れて行きました。

2021年1月5日 3回目の診察

【C動物病院】3回目の診察 N先生

【検査】スリットランプ(検眼機)検査 / フルオル(角膜染色)

【診断】結膜炎・・・眼球に傷はないけれど、まぶたの裏の炎症が治まっていない

【処方】点眼薬:ムコスタ 1日3回、エコリシン軟膏 1日2回

内服薬:ビブラマイシン(抗生物質) 1日2回

医療費 6,380円

あまり変化がないので、内服薬の抗生物質が追加になりました。

ネットで調べてみると、結膜炎には抗生物質を使うと書いてあったので、これで治るんじゃないかと期待しましたが、内服薬を飲んでも特に良くも悪くもならない状態が続きました。

右目がショボショボしているマルプー
1月16日のゆめちゃん。トリミングでキレイにしても、すぐに涙でショボショボに😢

2021年1月19日 4回目の診察

【C動物病院】4回目の診察 N先生

【検査】スリットランプ(検眼機)検査 / 眼圧検査

【診断】結膜炎・・・眼球に傷はないけれど、まぶたの裏の炎症が治まっていない

【処方】点眼薬:ムコスタ 1日3回
ネオメドロール軟膏(炎症をおさえるステロイド剤と、細菌を殺す抗生物質が配合されている薬) 1日3回を1週間→その後1日2回

内服薬:ビブラマイシン(抗生物質) 1日2回を1週間

医療費 10,780円

眼球と眼圧の検査は共に異常なし。症状に変化がないので、軟膏をステロイド剤に変えることになりました。

ただ、この薬は目に傷がつきやすくなる副作用があるので、痛がったり悪い変化があればすぐに連れてきてくださいと言われ、薬のせいで余計悪化するのではと心配でした。

でも、この薬に変えて1週間後、大きく目が開いて少し涙が減ったので「やっと薬が効いた!」と喜びましたが、その後また戻ってしまいました。

2021年2月2日 5回目の診察

【C動物病院】5回目の診察 N先生

【検査】スリットランプ(検眼機)検査 / フルオル(角膜染色)

【診断】結膜炎・・・眼球に傷はないけれど、まぶたの裏の炎症が治まっていない

【処置】外耳道洗浄

【処方】点眼薬:ムコスタ 1日3回、ネオメドロール軟膏 1日3回を1週間→その後1日2回

医療費 4,730円

あまり変化はないけれど、1度良くなっていることからステロイド剤に効果があったのだろうということで、ネオメドロール軟膏を続けることになりました。

また、耳の中が詰まっていると目に影響がある場合があるとの事で、念のため「外耳道洗浄」をしました。

2021年2月14日 6回目の診察

【C動物病院】6回目の診察 N先生

【検査】スリットランプ(検眼機)検査 / フルオル(角膜染色)

【診断】結膜炎・・・眼球に少し小さい傷があり、まぶたの裏の炎症も治まっていない

【処置】まつ毛抜去

【処方】点眼薬:ムコスタ1日3回
オルガドロン(副腎皮質ステロイド剤。目の炎症やアレルギー反応を抑える) 1日3回
エコリシン軟膏 1日2回

内服薬:ビブラマイシン(抗生物質) 1日2回

医療費 17,050円

この日の検査で、眼球に少し小さな傷があると言われました。

おそらくネオメドロール軟膏の副作用なので、また以前使っていたエコリシン軟膏を処方されました。

そして、「あらゆる可能性をつぶしていきましょう」とこの日まつ毛を抜きました。

でも、肝心の透明のまつ毛を見逃していたので、症状は良くなりませんでした。

この日、あまりにも回復しないので

「結膜炎ってこんなに時間がかかるものなんですか?」

とN先生に尋ねたところ

N獣医師
N獣医師
それはわんちゃんによりますね

と言われました。

この言葉が私には「自分の診断は間違っていないから、治らないのは犬のせいですよ」という意味に聞こえ、ずっと胸に引っ掛かっていました。

それに点眼薬3種類と内服薬はさすがに多すぎる。

それでも「まつ毛も抜いたし、もうそろそろ良くなるだろう、ここまで頑張ったんだから」という気持ちで、あと1週間だけ様子を見てみようと思いました。

でも、症状に変化はなく、かえって少し悪くなっているように見えました。

「もうこれ以上ゆめちゃんを薬漬けにしたくない!!」

悩んだ末、病院を変えることにしました。

 

2021年2月 F動物病院の診断と治療

「他の病院で治らなかった病気がこちらで良くなりました」「先生がとても親切」という口コミの多い病院を見つけ、行ってみました。

2021年2月20日 7回目の診察

【F動物病院】7回目の診察 K先生

【検査】スリットランプ(検眼機)検査

【診断】結膜炎・・・まぶたの裏の炎症

【処方】点眼薬:オルガドロン、オフロキサシン 1日3回

内服薬:ステロイド剤 1日1回

医療費 4,268円(初診料・カルテ作成費込)

こちらの病院でも「眼球に傷はないし、まつ毛も抜いてあるので結膜炎ですね」と診断されました。

薬を変え、3日後にまた見せに行くことになりました。

2021年2月23日 8回目の診察

この3日間で、目が大きく開くようになり、涙も少し減ったように見えました。

効果があるようなので、同じ処方をあと4日間続けることになりました。

医療費 1,430円

可愛いマルプー
一見良くなったかのように見えたゆめちゃんの右目ですが・・・

2021年2月28日 9回目の診察

期待もむなしく、また元に戻ってしまいました。

K獣医師
K獣医師
この薬で改善しないとなると、これは結膜炎ではないと思います。
せっかくうちに来ていただいたのに申し訳ないですが、大学病院で見てもらった方がいいと思います。

と言われ、私もその方がいいと思いました。

医療費 3,850円

ステロイドの副作用(喉の渇きとすぐに空腹になる)が出るようになったので、すぐに止めたかったのですが、ステロイドは徐々に少なくしていかないと余計副作用が出るということで、必要ないのにしばらく飲み続けなければなりませんでした。

 

やっと原因が判明!2021年3月9日 大学病院で診察

F動物病院で予約を入れていただき、紹介状を持って日本獣医生命科学大学付属動物医療センターに行きました。

大学病院なので「大学生が診察に参加してもいいですか?」というアンケートがありましたが、大勢に囲まれたらゆめちゃんが余計怖がるだろうと思い、申し訳ないですがそれはお断りしました。

診察室に入り、今までの症状と経過を説明し、すぐに検査になりました。

「この検査で原因が分かってほしい。重い病気じゃありませんように・・・」

そう願いながら待つこと30分。

また診察室に呼ばれ、検査結果の説明を聞いて驚きました。

大学病院の先生
大学病院の先生
検査の結果、結膜炎と診断する要因は1つも見当たりませんでした。この症状の原因は、逆さまつ毛です。

へっ?ホントに?!

という感じです。

まつ毛はC動物病院で抜いてもらっていたから、それはないんじゃないかと思いました。

でも、今考えられる原因はそれしかない。透明の短いまつ毛が1本眼球に向かって生えているから、前の病院では見落としたんでしょうというんです!!

それならそれを抜いてもらうしかありません。

マキ
マキ
今日抜いていただけますか?
大学病院の先生
大学病院の先生
本当に短くて少し難しいですが、幸いゆめちゃんはおとなしいので、目の麻酔だけですぐに抜けると思います

ということで、抜いていただけることになりました!

しかし、病院やトリミングの時はいつもおとなしくてイイ子なのが信じられない。

内弁慶の代表犬だな、ゆめちゃんは(^^;)

そしてまた待つこと10分ほどで、すぐに処置終了。

抜いたまつ毛の写真を見せてもらいましたが、ピンセットの先に本当に短い透明に光るまつ毛が写っていました。

ずっとこいつに苦しめられていたのかーーー😭

本当に長い長い3ヶ月でした。

ただ、まつ毛はまた生えてくるので、また同じような症状が出てきたら、その都度まつ毛を抜かなければならないそうです

それを聞いて、私がちょっとうんざりした顔をしてしまったのが分かったのか、

大学病院の先生
大学病院の先生
全身毛だらけの動物ですから、毛の問題は色々起こるんですよ

と優しく言われ、確かにそれはそうだなと思いました。

とにかく原因が分かって、本当に良かった!!

今後しばらくは目を保護するヒアルロン酸の目薬をつければ良いとのことで、安心しました。

また、最初の病院で「凄くいい薬ですから!」と言われ、ずっと使っていた「ムコスタ」は目が赤くなる可能性があるとのことでした。

そんな副作用の話は全く聞いていなかったので驚きました。

「目薬の刺激で結膜炎のような症状になっていた可能性がありますか?」

と尋ねてみたところ

「その可能性はあります」

との答えでした。

医療費 19,459円

ここまで全10回の医療費合計 82,467円  

 

まとめ:愛犬の目が治って、今思うこと

その後、ゆめちゃんの目はすっかり元のまん丸おめめに戻り、涙もピタッと止まったので、原因は逆さまつ毛で間違いありません。

4人の先生に診察してもらい、3人が「結膜炎」と診断したんですから、分かりにくい症例だったのだと思います。(大学病院の検査の精度ってこんなに違うのかと驚きました)

それでも、治療して良くならなかったら「わんちゃんによります」ではなく、「別の原因があるんじゃないか」「診断が違うんじゃないか」と疑うべきだし、分からないなら早く大学病院を紹介して欲しかったです。

最初の病院には全経過を手紙に書いて送ったところ、後日院長先生から「大変申し訳ありませんでした」と謝罪の電話がありましたが、無駄になった薬代などの返金は出来ないとのことでした。

私も1つの病院を信用しすぎてしまったことを反省しています。

もっと早く病院を変えていれば、こんなに長くゆめちゃんに必要のない薬を沢山与えなくて済んだかもしれません。

それに、ペット保険には入っていなかったので正直大変な出費でした💦

ただ、結果として良い大学病院を知ることができたのは良かったと思っています

今ではゆめちゃんの目が普通に開いているだけで、毎日ありがたくて嬉しいです!!

マキ&ゆめ
マキ&ゆめ
今回の経験を今後のゆめちゃんの健康管理に生かしていきたいと思います!

 

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